【管釣り】クランクベイトを極めるために 其の②【エリアフィッシング】
2019/12/17 編集
私がバス釣りを本格的にやっていた頃は、無類のクランカーでした。クランク専用タックルを5セットと、オカッパリの時に他ルアーと兼用できるようにと3セットの計8セットのクランク用タックルがあった訳です。今では完全にアホだと思います。
エリアフィッシングでもバス程ではないにしろ、タックルの使い分けは必要になってきます。数gの重さの違いでも、ライトタックルでは使い勝手が全然違うんです。
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タックル選びをする前に、方針を決める
○○専用という細分化したタックルを持てるなら、それに越したことはありません。大会の時などは持ち込みタックル数に制限がある可能性もありますが、普通に使う分には専用タックルを準備したほうが快適度は高いです。
でも初心者のうちから、タックルを3つも4つも・・・と細分化してたくさん持てるでしょうか?いきなりタックルを3つも4つも準備するというのは、ハードルが上がるのでとりあえずはタックル2セットを目標にすると良いと思います。
では、なぜ2セットなのか?1セットのタックルでは楽しめないのか??を解説すると、トラウトフィッシング(エリアフィッシング)でのメインルアーウエイトは0~5g台の軽量ルアーです。しかも、0g台のルアーをつかうシチュエーションと3g台のルアーをつかうシチュエーションは全く別物で、トラウトのアタリの出方も違います。2g辺りを境界に、2g未満を主力として扱うタックルと2g以上を主力として扱うタックルを分けておけば、それぞれに特性のあったラインシステムを組めるのでタックル1つの時と快適性が雲泥の差です。
初心者向けタックルセレクションの方針
少ないタックルでトラウトとの駆け引きを最大限に楽しむためには、1つのタックルに様々な要素を兼用させる必要があります。クランクベイト用タックルに求める主な要素は
- 管釣りの中では比較的重めなルアーウエイトを背負ってキャスティングできるロッドパワー。
- 突発的なアタリを弾くことなく、フッキングに持ち込めるショックアブソーバー(ラインまたはロッドのティップセクションのしなやかさ)。
- バラす事無く、ランディングまで持ち込める追従性(クランクはトラウトの活性を上げる・好奇心を刺激する特性があるので、スプーンで釣れる魚をクランクで釣ると放流魚の様に派手に暴れます。バラさないためのラインまたはロッドのベリー~バットセクションの追従性が必要)。
これらの要素は放流魚を獲るための要素と重複する部分があるので、クランク用タックルは放流狩りと兼用するのが合理的です。
クランクベイト用タックルの考察
放流狩りと兼用するという前提で、クランク用タックルを考えていきます。
トラウトのクランキング~リール~
まずリールについては、高性能な程良いですがドラグ性能がまともで、ラインローラーにベアリングが入っていればラインヨレ対策にも一役買うのでおすすめです。予算に応じて選ぶで問題はありません。後から買い替えや後悔したくない人は実売価格3万円以上のものをチョイスしていけば十分に使えます。リールサイズは1000番前後のスピニングリールが汎用性が高く、長く使えるのでおすすめです。クランク・放流兼用タックルに限って言うのであれば、ベイトリールの選択も可能です。ただし、バスをメインターゲットとしたハイギアードなベイトフィネスリールを流用することとなるので、自分でギア比変更(ドライブ&ピニオンギアの交換)を前提に考えておいた方がいいです。
トラウトのクランキング~ライン~
ここからが本題です。ラインはロッドとの相性に左右されるので実際に使ってみて、自分の感性に合うものを探していく工程も必要です。
ラインとクランク用ロッドの相性について傾向を示すと
- ベリー~バットにかけてよくしなる(モデレート~スローアクション)ロッドと相性が良いラインはナイロンライン。
- ティップセクションの追従性が高い(ファストアクション)ロッドと相性が良いラインはフロロカーボンライン。
- グラスコンポジットのモデレート~スローアクションロッドはカーボンのそれと比べてティップセクションもダルになるので、エステルラインと相性が良い。
- グラスコンポジットのファストアクションロッドと相性の良いラインはフロロカーボンライン。
- エリアトラウト用のベイトロッドは軽量ルアーのキャスタビリティー重視のためにスローアクション寄りに設計されていることが多いです。なので相性の良いラインはナイロンライン。
- カーボンソリッドもしくはグラスソリッドロッドは構造的にファストアクションになるので、ラインはフロロカーボンやエステルラインと相性が良いです。
- (クランキングにあまりおすすめはしないですが)ソリッドティップロッドはバラし軽減のために、ナイロンラインをおすすめします。
ファストアクションにフロロをあわせる理由として、張りのあるロッドでクランクをデッドスローに巻いたとき、突発的なアタリのショックアブソーバーとしてラインの巻きグセ【たるみ】を有効利用できるようにです。ディープレンジのクランクをメインに扱うなら、フロロよりナイロンの方が【たるみ】が発生するので、ナイロンを使った方が良いこともあります。放流獲りでスプーンを使う場合はクランクほどラインの【たるみ】が発生しないのでナイロンの方が相性の良い場合もあります。
要はこの辺の微妙な違いについて、どれが自分にとって都合がいいのか?を探ることが極めることだと考えています。
トラウトのクランキング~ロッド~
先に私のおすすめと言うか結論を言ってしまうと、張り(パワー)が強めなモデレート~スローアクションのカーボンロッドがクランク・放流兼用の最適解だと思います。既に手持ちのロッドをクランキング用にしたい人は、上記のラインとの組み合わせ例を参考にして下さい。
~用語の説明~
- ティップ(セクション)とは、ロッドの穂先(範囲)。
- ベリー(セクション)とは、ロッドの穂先と根本にはさまれた中間(範囲)。
- バット(セクション)とは、ロッドのグリップを除いた根本(範囲)。
- ファストアクションとは、キャスティング後の穂先の戻りが早いことから、穂先範囲から曲がる(穂先が軟らかい)竿調子をさす。別名では先調子、ファストテーパー、ファーストアクション、ファーストテーパーと呼ばれることもある。
- モデレートアクションとは、ファストとスローの中間をさす。別名ではレギュラーアクション、レギュラーテーパー、ミディアムアクション、ミディアムテーパーと呼ばれることもある。レギュラー○○は本来の意味から連想できないので、少なくともメーカーはつかうべきでは無いと思う。
- スローアクションとは、キャスティング後の穂先の戻りが遅いことから、根元の範囲から曲がる竿調子をさす。別名では元調子、胴調子、スローテーパーと呼ばれることもある。
- コンポジットとは、ロッドの主素材カーボンに異素材(グラスなど)を組み合わせたロッド。最近ではグラスロッドとグラスコンポジットロッドの境界が曖昧になってきているが、グラスロッド=主素材がグラス。グラスコンポジットロッド=主素材カーボンにグラスをミックスしたもの。性格もカーボンとグラスのミックスな特性となる。
- ソリッドとは、ロッド断面が中空(チューブラ)でなく無垢材のもの。
- ソリッドティップとは、ティップセクションのみがソリッド素材(カーボンソリッドやチタンティップなど)で、ベリー以降はチューブラ素材で構成されたロッド。
トラウトのクランキング~フック~
クランクはスプーンに比べ、ルアーのサイズが大きいのでトラウトのミスバイトが発生しやすいです。とりあえずはデフォルトのフックで構いませんが、フック交換の時は可能なかぎり細軸のフックへ交換し、少しでも初期掛かりの良いようにカスタムしています。
フック選定のポイントとして、ナロー(フトコロが狭い)すぎるフックは避けることと、オープンポイント(ハリ先が開いている)なフックでどこかしらへの甘掛かりを狙うことです。私は純正フックより細軸に交換することがほとんどなので、クランクのバランスを保つためにスプリットリングを2重にしてウエイトを稼いでいます。(純正より僅かにフッキングパワーが必要になりますが、バラしは軽減されるメリットがある)
st250grasstracker.hateblo.jpst250grasstracker.hateblo.jp
クランクを使うときの注意点
せっかく専用のタックルを準備しても、クランク特有のアタリへの合わせを知らないと獲れる魚も減ってしまいます。
クランクはゆっくりとフラフラと泳ぐので、トラウトへの焦らし(一時的に活性を上げる)効果があります。クリアポンドでは同じ魚が何回もチェイスに来る様子も見ることができます。もしかしたら、魚をイラつかせているのかもしれません。このようなクランクの特性から、スレアタリの様な鋭く大きなアタリが出ることがありますが、このアタリはスルー(積極的に合わせない)するのが得策です。このスレアタリもどきの正体はトラウトがルアーをチェイスに来て、反転(帰っていく)した時にフックが甘く外掛かりしたアタリがほとんどです。上手く合わせればフックアップしますが、その後のバラし率も高くなるので、場を荒らさないためにも確実に口中バイトでフッキングする方が初心者には得策です。
口中バイトとは、スレアタリもどきと似たアタリなんですが、重みまで伝わってきます。簡単に言ってしまえば、重みを感じて(口中バイト)から合わせればバラしは激減するということです。あとは、タックルセレクトが間違っていなければ道具任せで安定してキャッチできます。
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