【比較】ST250のスプロケットについて考えてみる【スプロケット変更】
2019/12/17 編集
スズキのST250Eタイプは街乗りを意識したギア比になっています。
エンジン特性も回転数低めで街乗りに重要なトルクをガンガン稼ごうという系統のエンジンです。人気のHONDAのCBR250RRやKAWASAKIのNinja250の様に高回転でエンジンパワー(最高速)を極限まで絞りだしてやろうというタイプとはST250は真逆です。(そもそもST250は単気筒でCBR RRやNinjaは2気筒なので土俵が違う)
- スズキ ST250Eタイプのトルク感
- トルクのつかいみち
- そのトルク必要ですか?
- ST250Eの姉妹車を参考に&ST250のルーツをさぐる
- スプロケットとチェーンの関係
- 私のST250のスプロケット最適解を探る
- さっそく実験してみよう
- 結論
- スプロケットの変更についての 一般事項
- 注意点
スズキ ST250Eタイプのトルク感
カタログスペック上は最大トルクが22Nm/5500rpm(回転数5500で最大トルクの22Nmが発生する)となっているのですが、実際に乗った感想ではオフ車並に低回転でトルクが出て、車のクリープ現象のようにアクセルに全く触れずとも前進して行くパワーがあります。
街乗りで必要十分すぎるトルクがあります。
更に250ccで車体が軽量なため、加速でも申し分ない実用性があります。(レーシーな走行を意味している訳ではありません)
トルクのつかいみち
たっぷりトルクのST250なんですが、そのトルクが有効に使える場面はどんな時だろう?と考えてみました。
- タンデムや重い荷物を積んでいるとき
- 登坂(急な坂道)
- スリッピーな路面を低速で走りたいとき
- ストップ&ゴーが多い道路(街乗り)
私に当てはめていくと、1に関してはタンデムすることは無いし、泊りがけツーリングのような大掛かりな荷物積載も無さそうです。
3に関しては軟弱者なので雨や雪の日にバイクに乗ることは無いでしょうし、林道的なところもタイヤ事情で諦めるだろうから、関係無さそうです。
私の場合、ラーツーで通るであろう2の登坂とメイン用途の4街乗りが影響しそうです。
そのトルク必要ですか?
なぜこんな事を思ったかというと、『ST250Eの強烈なエンジンブレーキ』はトルクフルなエンジン特性の弊害ではないか?と考えたから。
なので、有り余るトルクを削ってやろうと考えたわけです。
手っ取り早くトルクを削る方法=減速比を変える=スプロケットを変える!!
トルクを削る(最高速は上げる)ためには、ドライブスプロケット丁数だけを上げるorドリブンスプロケット丁数だけを下げるorどっちもやるの3択です。
ST250Eの姉妹車を参考に&ST250のルーツをさぐる
ST250Eのドライブ(フロント)スプロケットは15丁。ドリブン(リア)スプロケットは43丁です。
グラストラッカービッグボーイもST250Eと同様に15・43丁。
無印グラストラッカーのドライブスプロケットは15丁ですが、ドリブンが41丁!
ST250の祖先であるボルティさんはドライブ15丁、ドリブン41丁!
ボルティさんの祖先であるGN250様はドライブ不明、ドリブン41丁!
その中で参考にしたのがボルティさん。理由はホイールベースがST250と近い。車格・重量がST250と近いから。問題点としてタイヤ外径がボルティさん624mmに対しST250は655mmと30mmの差があること・・・ですが気にしない!
スプロケットとチェーンの関係
ST250のスプロケット交換を決意したところで、チェーンとの絡みが出てきます。スプロケットを大きく(丁数を上げる)すればチェーンを長くしなければなりませんし、スプロケットを小さく(丁数を下げる)すればチェーンを短くしなければなりません。純正チェーンのまま交換するにはどの程度が最適なのかも検証したいので、スプロケットの付け外しを何回もやらなくてはいけない・・・軟弱者なので、プロのお力を借りることにしました。
私のST250のスプロケット最適解を探る
ドライブ(フロント)スプロケット
半分実験的な要素があるので、ドライブは純正に対し1丁上げられるようにサンスターのドライブスプロケットを用意しました。バイク屋さんいわく、強度・寿命・性能ともに申し分ないとお墨付きなので、素直に従います。
サンスター(SUNSTAR) フロントスプロケット 520-16T GrassTracker・BIGBOY/ST250/VOLTY 355-16
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唯一のウィークポイントは純正では付いている消音ラバーが付いていないため、走行音が大きくなることでしょうか。
ドリブン(リア)スプロケット
ドリブンについては純正に対し2丁下げられるように、41丁を準備したいのですが、ボルティさん純正を流用しようか社外に使用か迷い、結局納期の早い社外品NTBのスプロケットを調達しました。純正に比べたら磨耗スピードは幾分はやいとのことですが、アルミスプロケットと比較すれば圧倒的に持ちがいいらしいです。
これで実験用に上げ下げ出来る準備が整いました。
さっそく実験してみよう
ドライブだけを1丁上げてみた
- チェーンの長さ問題→純正のままで対応OK。
- エンジンブレーキ→マイルドになった。
- トルク(加速)が下がった感も実感できる。(実用範囲では問題なし)
- 走行音→確かなシャーっと聞こえるが(純正)マフラー音やエンジン鼓動があるので私は気にならない。
ドリブンだけを2丁下げてみた
- チェーンの長さ問題→純正から詰める(短くする)必要がありそう。厳密にいうと、純正のままで取り付けは可能なんですがバイク屋さんいわく、チェーンが伸びてきた時の調整しろとメーカー推奨のチェーンあそび量を考慮すると詰めた方が良い。
- エンジンブレーキ→ノーマルよりマシにはなる。(実感はできる)
- トルク(加速)が下がる感の実感はうすい。
ドライブ1丁上げ、ドリブン2丁下げてみた
- チェーンの長さ問題→純正のままで対応可能だが、チェーンが伸びてきた時の調整しろは少なくなる。(実質問題なし)
- エンジンブレーキ→劇的に改善。
- トルク(加速)が下がった感も実感できる。(実用範囲では問題なし)
結論
ドライブ1丁上げとドリブン2丁下げのどちらも行うこととしました。
ST250より、もともとドリブン2丁少ないボルティユーザーさんが多数ドライブ1丁上げを行っていることも後押しになりました。
実際に乗ってみると『あぁ、私の知っているバイク乗り味って、こんなんだったわ・・・』と、まともな(一般的な?)乗り味になってくれました。最高速についてはまだまだ慣らし中なので分かりませんが、4速巡航が出来るようになったのできっと最高速もあがっているはず。
どちらか一方の選択しか出来ないなら
わたしなら、ドライブだけを1丁上げます。理由として
- ドライブとドリブンスプロケットの価格を比べると、ドライブの方が安いから。
- 純正チェーンを加工無しで使えるから。
- ドリブンだけの交換より、ドライブだけの交換の方が求める効果が高かったから。
スプロケットの変更についての 一般事項
ドライブ(フロント)スプロケットの丁数を上げる程、加速は鈍り、最高速は増します。ドライブスプロケット丁数を下げる程、加速は増し、最高速は頭打ちになります。
ドリブン(リア)スプロケットの場合は逆で丁数を上げる程、加速は増し、最高速は頭打ちになります。ドリブンスプロケットを下げる程、加速は鈍り、最高速は増します。
加速重視なセッティングとしたいならドライブスプロケット丁数を下げ、ドリブンスプロケット丁数を上げる。(いずれか片方だけでもOK)
最高速重視なセッティングとしたいならドライブスプロケット丁数を上げ、ドリブンスプロケット丁数を下げる。(いずれか片方だけでもOK)
ポイント
- ドライブ(フロント)スプロケット1丁の変更は、ドリブン(リア)スプロケット3丁の変更と同じ程度の効果ある。
- 極端なスプロケット変更は、走行に支障をきたす可能性がある。(坂道発進できなくなったり、スプロケットが他パーツと干渉したり)
- バイクの車種によって、調整しろが異なる。
- スプロケットを2丁以上変更する場合は、チェーンのリンク数の変更が必要になる可能性がある。
注意点
トルク感が結構下がったので、タンデムをする人はとりあえずドライブ1丁上げまでに留めて様子を見てからをおすすめします。
私はプロに任せてしまったので、問題にならなかったのですが、ドライブスプロケットはかなり高いトルクで締め付けられています。バイク屋さんは手工具では厳しいと言っていましたので、エアツールか工具を壊すつもりで延長パイプでナットを緩めましょう。(もちろん、自己責任でお願いします)
SUZUKIが意図的に先代のボルティよりトルク寄りの設定をしたのに、ユーザーがわざわざそれをスポイルしている。
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